目で見る音楽理論 · コード図鑑
すべてのトライアドは、4 つの形に還元される。
コード名をばらばらの事実として暗記するのは、もうやめましょう。メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメント——この 4 つが、基本的な和声のすべての背後にある幾何学的な音程の正体です。
トライアド図鑑
メジャー
明るい非対称
マイナー
鏡像のあたたかさ
ディミニッシュ
圧縮された緊張
オーギュメント
完全な対称

01 · 気づき
コードの種類とは、回せる三角形のこと
従来の理論は C メジャー、D メジャー、G メジャーを、それぞれ別の音の並びとして教えます。
けれども半音階の円の上では、それらは同じ幾何学的な物体が違う位置にあるだけです。
TerryTrilla の要はここにあります。
- コードを音の在庫として扱うのをやめる
- 音程の構造として見はじめる
- すると移調が回転に変わる
音程という DNA で考える。
コードを回せば名前は変わります。音程のパターンは変わりません。
同じ三角形を回す
ひとつの種類、いくつもの位置
コードの性質に 12 通りの説明はいりません。必要なのは、どこにあっても見分けられる幾何学的な正体ひとつです。
02 · 4 つの形
基本となる 4 つのコードの形
基本のトライアドは、どれもこの 4 つの音程幾何のいずれかです。違いは、対称性、緊張、そして 3 つの点の間隔にあります。
メジャー · 4–3–5
非対称で、明るく、安定しています。調性和声における「解決した」三角形の基本形です。
音程としての正体: [0, 4, 7]
マイナー · 3–4–5
メジャーの鏡像です。安定の度合いは同じで、感情の重心が違います。
音程としての正体: [0, 3, 7]
ディミニッシュ · 3–3–6
小さくまとまり、圧がかかっています。不安定に感じられるのは、この形が緊張をより狭い空間に押し込めているからです。
音程としての正体: [0, 3, 6]
オーギュメント · 4–4–4
完全な正三角形です。対称性が調性の方向感を弱めるため、宙に浮いたように響きます。
音程としての正体: [0, 4, 8]
03 · 実験室
ひとつの形が動くのを見る
円の上でトライアドを組み立て、回してみて、何が変わるかを見てください。根音は変わり、位置も変わりますが、コードの種類は変わりません。
- トライアドをひとつ組み立てる。
- 円のまわりを回す。
- 名前が変わることに気づく。
- 形が変わらないことに気づく。
移調とは回転である。
この一点が、ばらばらだった何十ものコードの知識を、目に見えるひとつのパターンにまとめてしまいます。
対称性のスペクトル
4 つの形は、強い調性をもつものから、ほぼ完全に曖昧なものまで、ひとつながりのスペクトルをなしています。
メジャー
非対称 · 安定
マイナー
鏡像 · 安定
ディミニッシュ
部分的な対称
オーギュメント
完全な対称
この 4 つの形は、構造のスペクトルもなしています。
- メジャー [4–3–5]——非対称
- マイナー [3–4–5]——非対称の鏡像
- ディミニッシュ [3–3–6]——部分的に対称
- オーギュメント [4–4–4]——完全に対称
対称性が高まるほど、調性の確かさは弱まります。オーギュメントとディミニッシュが、メジャーやマイナーより不安定に、あるいは曖昧に感じられるのはそのためです。
04 · 例外
オーギュメントだけが違う理由
オーギュメントトライアドは、オクターブを 3 等分します。4 + 4 + 4 です。
この完全な対称性のせいで、形を回してもしばしば同じ音の組に戻ってしまいます。
そのためオーギュメントは、ほかの 3 種類と違って、12 ではなく 4 通りの音の組しか生みません。
C オーギュメント = E オーギュメント = G# オーギュメント
同じ正三角形 {C, E, G#} に付いた 3 つの名前にすぎません。
12 の根音が、4 つの音の組にまとまる。
4 つの形を並べて見る
| 形 | 音程 | 幾何 | 響き | 音の組の数 |
|---|---|---|---|---|
| メジャー | 4 – 3 – 5 | 非対称な三角形 | 明るく安定 | 12 |
| マイナー | 3 – 4 – 5 | 鏡像の三角形 | あたたかく内向き | 12 |
| ディミニッシュ | 3 – 3 – 6 | 詰まったかたまり | 張りつめて不安定 | 12 |
| オーギュメント | 4 – 4 – 4 | 完全な正三角形 | 浮遊して曖昧 | 4 |
覚えておきたい規則性:12 の根音という前提を破るのはオーギュメントだけです。対称性が、複数の根音を同じものにしてしまうからです。
よくある質問
コードの形は、ほんとうに 4 つだけですか?
基本のトライアドに限れば、そのとおりです。メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメントで、根音・3 度・5 度の性質の組み合わせは尽くされます。
サスペンデッド、パワーコード、セブンスはどうなりますか?
もちろん大切です。ただしそれらは、3 度を取り除くか、トライアドの外に音を加えるか、トライアドを土台にして拡張したものです。この記事が扱うのは、その下にある 4 つの核となるトライアドの幾何です。
ここで幾何が重要なのはなぜですか?
幾何は、暗記が隠してしまうもの——同一性、対称性、対比、そして動き——を明らかにするからです。形が見えた瞬間から、和声はばらばらの事実ではなくなります。
4 つの形を自分の目で見る
スケールサークルを開き、トライアドを組み立てて、見えるものを比べてみてください。何度か回すうちに、ばらばらのコードは見えなくなり、和声の小さな視覚的アルファベットが見えてきます。
4 つの形
12 の根音
ひとつの視覚的な文法
それぞれの形をくわしく見る
- メジャーの形
- マイナーの形
- ディミニッシュの形
- オーギュメントの形