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楽譜を読む

臨時記号:シャープ・フラット・ナチュラル

臨時記号は音符の前に置かれ、その音の高さを半音ぶん動かす記号です。シャープは半音上げ、フラットは半音下げ、ナチュラルはそのどちらも取り消します。効力はその小節の終わりまで、しかも同じ線・間の音にだけ及びます。

楽譜に出てくる記号のなかの臨時記号

楽譜の記号には、音の高さを示すもの、長さを示すもの、強さや奏法を示すものがあります。臨時記号は最初のグループに属し、音符の前に立って高さを半音単位で動かします。シャープ、フラット、ナチュラルの三つが基本で、ダブルシャープとダブルフラットがそれに続きます。

ピアノの譜面でよく見かける記号のうち、♯と♭は鍵盤の位置をそのまま指しています。ファのシャープはファの右隣の黒鍵、シのフラットはシの左隣の黒鍵です。ギターなら一フレット上と一フレット下に当たります。

シャープとフラット

シャープは音を半音上げ、フラットは半音下げます。記号は音符の前に書きますが、読むときは音名のあとに付けて「ファのシャープ」と言います。書く位置と読む順序が逆になるのは、日本語でも英語でも同じです。

黒鍵にはそれぞれ二つの名前があります。ファとソの間の鍵盤はファのシャープでもソのフラットでもあり、どちらを使うかは音楽の進み方で決まります。これは飾りではありません。音階では同じ音名が一度しか現れないので、すでにファを使った音階でその鍵盤をソのフラットとは書かないのです。

ナチュラル(本位記号)

ナチュラルはシャープやフラットを取り消し、音符を元の音名に戻します。必要になるのは二つの場面です。ひとつは同じ小節の前のほうに臨時記号があって、まだ効いているとき。もうひとつは調号がそのシャープやフラットを与えているときです。

後者でつまずく人が多くいます。ト長調ではすべてのファがシャープになると調号が定めているので、白鍵のファを求めるにはナチュラルを書くしかありません。ナチュラルは音を下げる記号ではなく、変化を取り消す記号です。結果として低く聞こえるか高く聞こえるかは、何を取り消したかで決まります。

ダブルシャープとダブルフラット

ダブルシャープは音を半音二つぶん上げ、小さな x のような形で書きます。ファのダブルシャープはソと同じ高さで鳴りますが、ソとは書きません。和声がファという音名を求める場面、たとえば嬰ト短調の導音として現れるからです。ダブルフラットはフラット二つで書き、同じ理屈で半音二つぶん下げます。

見慣れない記号ですが、従っている規則は同じです。音階では音名がそれぞれの場所を守ります。ファのダブルシャープをソと書き換えれば、ソが二つ並んでファが消え、書かれた和音と鳴っている和音が食い違ってしまいます。

臨時記号はいつまで有効か

臨時記号は書かれた場所からその小節の終わりまで、しかも同じ線・間の音にだけ効きます。小節線で効力は切れますが、タイで音が次の小節へ延びる場合だけは例外で、つながった音は変化を保ち、新しく打ち直した音は元に戻ります。

読み違えやすい場所には、括弧つきの親切記号が置かれることがあります。シャープの多い小節のあとなどです。音楽的には何も変えず、演奏者が一瞬迷わないためだけに置かれています。

よくある質問

記号の働きを耳で確かめる

スタジオで一小節書き、ひとつの音にシャープを付けて、下の和音がどう変わるかを聴いてみてください。半音は規則で覚えるより耳で覚えるほうが早いです。