マイナートライアド
m
0 - 3 - 7Root + minor 3rd + perfect 5th
マイナートライアドについて
マイナートライアド(短三和音)は、ルート・短三度・完全五度からなる三音の和音です。Cならド・ミ♭・ソで、コードネームは Cm。メジャートライアドとの違いはたった一音、三度が半音低いだけで、ルートも五度も共通です。
構成音と度数
度数は 1 – ♭3 – 5、半音では 0 – 3 – 7 です。下に短三度、その上に長三度が積まれ、メジャートライアドとは順序が逆になります。外側の完全五度は共通なので、どちらも安定して響きます。
音響的な比はおよそ 10:12:15 で、メジャーの 4:5:6 ほど単純ではありません。溶け合い方がわずかに弱く、その差を耳が「色」として受け取っている、というのが情緒的な説明の裏にある事実です。
押さえ方
Cm はバレーが必要で x35543。開放弦を使う形がないため、初心者向けの教本には出にくく、録音では頻繁に鳴っています。よく使われる簡易形は x3101x で、バレーなしで同じ三音が出ます。
一方 Em(022000)と Am(x02210)は開放弦で鳴ります。この押さえやすさが、日本語のポップスに Em と Am が多い理由のひとつです。調が楽器の都合に従っている、と言ってもかまいません。
調の中での位置
長調では第二・第三・第六音度がマイナートライアドです。ハ長調なら Dm・Em・Am。第六音度は平行調のトニックで、調号を変えずに曲を暗くしたいときに向かう先になります。
短調では第一・第四音度に立ち、第五音度は導音を上げるために長三和音になるのが普通です。イ短調の中で Am・Dm・E7 が同居するのはそのためです。
三種類の短音階と和音
自然短音階・和声的短音階・旋律的短音階のどれでも、トニックのマイナートライアド自体は同じです。三つが違うのは第六音度と第七音度、つまりドミナント側の話です。
だからイ短調の曲に E7 が出てきても調外ではありません。ソ♯は和声的短音階から来ています。ここを一度理解すると、調号にない臨時記号に驚かなくなります。
実際の演奏では
ポップスでは純粋な三和音のままでいる時間は短く、伴奏者はほぼ反射的に七度を足して Am7 や Dm7 にします。三和音のままの響きは、むしろロックや民謡的な音楽の音です。
逆にインストゥルメンタルでは、マイナートライアドだけでひとつのセクションを支えられます。AメロとBメロで長短を入れ替えるだけでも効果は十分に出ます。
よくある質問
Cmコードの構成音は?
ド・ミ♭・ソです。ギターではバレーの x35543、または簡易形の x3101x。
C と Cm の違いは?
一音だけです。Cはミ、Cmはミ♭で、ルートと五度は同じです。
短調なのにドミナントが長三和音なのはなぜ?
導音が必要だからです。第七音度を上げた和声的短音階から来ています。