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音楽理論

ソルフェージュとは — 視唱・聴音・楽典の三本柱

ソルフェージュとは、楽譜を音として扱うための訓練の総称です。日本では視唱(楽譜を見て歌う)、聴音(聞いた音を書き取る)、楽典(記譜の決まりを知る)の三つをまとめてこう呼びます。目的はひとつで、初めて見た譜面を楽器に頼らず音にできるようになること。ピアノやギターの練習とは別の力で、どの楽器から入っても同じように必要になります。

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三本柱がそれぞれ何をする力なのか

視唱は、楽譜を見てその場で歌うことです。音名を追うのではなく、音と音の距離を先に感じ取って声にします。ドからソへ跳ぶ感覚が体に入っていれば、初めての譜面でも迷いません。

聴音はその逆で、鳴った音を聴いて五線に書き取ります。単旋律から始め、二声、和音へと進みます。日本の音楽教室や受験で最も時間を割かれるのがここで、ソルフェージュという言葉を聴音とほぼ同義で使う人も少なくありません。

楽典は記譜の決まりごと — 調号、拍子、音程の呼び方、和音の種類です。視唱と聴音が実技なら、楽典はその土台にあたります。三つは別々の科目に見えて、実際にはひとつの回路の入口・出口・地図の関係にあります。

視唱 — 楽譜を見て歌えるようになるまで

視唱の練習は三つの音から始めるのが確実です。ド・レ・ミを上下に歌い、距離が自動的に出るようになったらソとラを足します。この五音がペンタトニックで、世界中の童謡がこの範囲に収まるのは偶然ではありません。

シとファは最後に回します。長音階の中で半音を作るのがこの二つで、置き場所がいちばん難しいからです。先に急いで入れると、他の五音まで不安定になります。

歌うときは必ず声に出します。頭の中で追うだけでは、音程が合っているかどうかを自分で判定できません。テンポは遅くてかまいません。速く歌えることより、外れた瞬間に自分で気づけることのほうが先です。

聴音 — 聞いた音を書き取る

聴音は、単音の高さを当てるところからではなく、二つの音の距離を当てるところから始めます。絶対音感がなくても進められるのはそのためで、必要なのは基準の音がひとつだけです。

手順は決まっています。まず拍子と小節数を確保し、次にリズムだけを書き取り、最後に音の高さを乗せます。いきなり音高から入ると、リズムが崩れたときに全部が崩れます。ソルフェージュ リズムという言い方があるのは、この順序が理にかなっているからです。

書き取ったら必ず鳴らして確かめます。ここを省くと、間違えた聴き方がそのまま固定されます。聴音の上達が速い人は、例外なく答え合わせの回数が多い人です。

固定ドと移動ド — 日本でどちらを使うか

日本の音楽教育は固定ドが主流です。ドは常にC、レは常にDで、調が変わっても呼び名は変わりません。ピアノの鍵盤と一対一で対応するため、鍵盤から音楽に入った人には自然な呼び方です。

移動ドは主音をドと呼ぶ方式で、英語圏の合唱教育やコダーイ・メソッドの標準です。ト長調ならソの音がドになります。調が変わっても旋律の「かたち」が同じ音名で歌えるのが利点です。

どちらが正しいというものではなく、鍛えられる力が違います。固定ドは音そのものの記憶を、移動ドは調の中での役割の感覚を育てます。合唱の初見や移調の多い現場では移動ドが速く、ピアノの譜読みでは固定ドが速い、というのが実感に近いところです。日本で独学を始めるなら、まず周りが使っている方に合わせるのが混乱が少なく済みます。

独学でどこまでできるか

視唱と楽典は独学と相性がよく、教材も手に入ります。問題は聴音で、これだけは「鳴らす人」と「答えを持っている人」が要ります。教室に通う理由の多くが実はここにあります。

とはいえ、鳴らす側を道具に任せれば独学でも回ります。自分で旋律を書き、音を伏せて歌い、鳴らして照合する — この一周が成立すれば、聴音の練習は一人で続けられます。大人から始めても遅くはありません。子どもの速さは記憶力ではなく練習頻度から来るもので、頻度は大人でも作れます。

ギターから入る人は、指板の位置と音名が結びつきにくいぶん最初が遅く感じられます。開放弦の音を基準にして、そこからの距離で歌うと進みが速くなります。ピアノの人はその逆で、音名はすぐ出るのに距離の感覚が後回しになりがちです。

Where to go next

Solfège is a method for hearing intervals by name rather than by calculation. What the syllables are attached to on the page is covered by reading sheet music, and singing a line at sight is the same skill applied to the chords of a key.

よくある質問

ソルフェージュとは何ですか

楽譜を音として扱うための訓練の総称です。日本では視唱(見て歌う)、聴音(聞いて書き取る)、楽典(記譜の決まり)の三つを指します。目的は、初めて見た譜面を楽器なしで音にできるようになることです。

固定ドと移動ドはどう違いますか

固定ドはドが常にCで、調が変わっても呼び名が変わりません。移動ドは主音をドと呼ぶので、ト長調ではソの音がドになります。日本の教育は固定ドが主流、英語圏の合唱では移動ドが標準です。

独学でもできますか

視唱と楽典はできます。聴音だけは音を鳴らす側と答えが必要ですが、自分で旋律を書いて伏せ、歌ってから鳴らして照合すれば一人でも回せます。大切なのは答え合わせの回数です。

聴音は何から始めればいいですか

単音の高さではなく、二つの音の距離からです。手順は、拍子と小節数を決める、リズムだけ書き取る、最後に音高を乗せる、の順。音高から入るとリズムが崩れたときに全部が崩れます。

大人から始めても遅くないですか

遅くありません。子どもの上達が速く見えるのは記憶力ではなく練習の頻度によるもので、頻度は大人でも作れます。一回の長さより、短くても間隔を空けないことが効きます。

どのくらいで身につきますか

五音(ド・レ・ミ・ソ・ラ)の視唱なら数週間、シとファを含む七音で数か月が目安です。聴音は旋律の長さで変わりますが、短い二小節を毎日一つ書き取るだけで半年後には別物になります。

歌った音を、その場で確かめる

一フレーズ歌ってから、スタジオで書いて鳴らしてみてください。歌ったつもりの音と実際の音が合っているか — 独学の聴音に足りないのは、この照合の回数です。